金利タイプ別フラット35Sとは?適用基準や金利、比較のポイントを解説

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フラット35Sの金利と比較のポイント

フラット35Sとは?適用基準や金利、比較のポイントを解説

「フラット35S」とは、「フラット35」の契約者が長期優良住宅(※)と呼ばれる省エネルギー、耐震性などを備えた質の高い住宅を取得する場合に、フラット35の適用金利を一定期間引き下げ、返済負担を軽くした住宅ローンのこと

  • 長期優良住宅…長く安心・快適に暮らせる優良な住宅として国が定めた基準を満たし、認定を受けた住宅。

ちなみにフラット35とは、住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携し、販売する長期固定金利型の住宅ローン。最長35年の固定金利を低金利で組める点が、最大のメリットです。また、返済期間中の住宅ローン金利が一定のため、「住宅ローンを借り入れる時点で毎月の返済額が確定し、返済計画が立てやすい」といった特徴があります。

フラット35Sでは所定の条件を満たすことで、フラット35の適用金利が一定期間引き下げられるため、より低い金利で住宅ローンを組むことが可能です
2022年11月現在、フラット35Sには3種類の金利引き下げメニューがあり、2023年3月31日までの申込受付分に対して、以下の金利引下げが適用されます。

フラット35S 金利引き下げメニュー一覧

  • 2023年3月31日までの申込受付分に適用
フラット35S 金利引き下げメニュー 金利引き下げ期間 金利引き下げ幅
フラット35S(ZEH) 当初5年間 -年0.5%
6年目から10年目まで -年0.25%
フラット35S(金利Aプラン) 当初10年間 -年0.25%
フラット35S(金利Bプラン) 当初5年間 -年0.25%

そこで今回の特集では、この「フラット35S」に注目し、フラット35Sの基本情報や適用条件や金利、金融機関を比較する際のポイントなどを、わかりやすくご紹介します。

フラット35Sの基本情報フラット35Sとは?適用基準や金利、比較のポイントを解説

はじめに、フラット35Sの基本情報を見ていきましょう。

フラット35Sの基本情報

特徴 条件を満たした物件に限り、フラット35の金利を、一定期間優遇する住宅ローン商品。
「フラット35S(ZEH)」「フラット35S(金利Aプラン)」「フラット35S(金利Bプラン)」の3種類があり、金利引き下げ期間や、金利の引き下げ幅が異なる。
借り入れ期間 15年(※申し込み時の年齢が満60歳以上の場合は10年)~35年
借り入れ可能額 100万円以上8,000万円以下(1万円単位)
保証料 なし
繰り上げ返済手数料 なし
取扱事務手数料 フラット35S取扱の金融機関によって異なる
団信 金利上乗せで付帯可
住宅ローンの借り換え 不可

フラット35Sの金利と比較するポイントフラット35Sとは?適用基準や金利、比較のポイントを解説

フラット35Sの適用金利は、住宅金融支援機構によって設定できる範囲が決まっており、実際に住宅ローン商品としてフラット35を販売する民間の金融機関が、その範囲内で自由に金利を定めています。
ちなみに、フラット35Sの適用を受けるための条件は、どの金融機関でも同じです。つまり、フラット35Sをお得に利用したい場合、フラット35の金利と、各金融機関の手数料を比較することがポイントになります

以下では、数あるフラット35の中でも金利が低く、なおかつサービス面が充実したおすすめのフラット35を紹介しています。
フラット35Sを活用し、お得に住宅ローンを組みたいと考えている方は、ぜひチェックしてみてください。

おすすめのフラット35を比較

ARUHI フラット35

ARUHI フラット35

フラット35 金利 2024年3月
  • 15-20年固定1.36
  • 21-35年固定1.84
※融資比率9割以下
※いずれも団信ありの場合。団信に加入しない場合は表示金利-0.2%
フラット35S金利 【ZEH】
・当初5年間…上記金利から-年0.5%
・6年目~10年目…上記金利から-年0.25%
【金利Aプラン】
・当初10年間…上記金利から-年0.25%
【金利Bプラン】
・当初5年間…上記金利から-年0.25%
取扱事務手数料 借り入れ金額の2.2%(税込)
  • Webからの申し込みで1.1%(税込)に優遇
  • ARUHI スーパーフラットをお申し込みの場合は「ご融資額×2.2%(消費税込)」
  • 最低事務手数料220,000円(消費税込)

ARUHI フラット35 住宅ローンの特徴
13年連続でフラット35の取扱高No.1を誇るARUHIの長期固定金利型住宅ローン※1
ARUHIフラット35では、業界最低水準の住宅ローン金利を実現。※2 さらに取扱事務手数料は通常、借り入れ金額の2.2%(税込)だが、 Webからの申し込みで1.1%(税込)に優遇される※3 ※4 有利な条件でフラット35を組めるのは、ARUHIフラット35の大きな魅力。
事前審査は1~2営業日、本審査は1~2週間とスピード審査にも対応している。
また、全国に実店舗を展開しており、対面にて住宅ローンに関する相談をすることも可能。
住宅ローンの借り入れにフラット35またはフラット35Sの利用を検討する際、ARUHIはまずチェックしておきたい。

  • 1. 2010年度-2022年度統計、取り扱い全金融機関のうち借り換えを含む【フラット35】実行件数(2023年3月末現在、ARUHI調べ)
  • 2. 【フラット35】業界最低水準(ただしスタンダードタイプの場合)。ARUHI 調べ。
  • 3. ARUHI スーパーフラットをお申し込みの場合は「ご融資額×2.2%(消費税込)」
  • 4. 最低事務手数料220,000円(消費税込)

ARUHI フラット35 住宅ローン

住信SBIネット銀行 フラット35

NEOBANK住信SBIネット銀行 フラット35

金利 2024年3月 【買取型】
  • 15-20年固定1.36
  • 21-35年固定1.84
【保証型】
  • 借入金額の1.81%(税込)
  • 融資比率9割以下/団信ありの場合(団信に加入しない場合は表示金利-年0.2%
フラット35S金利 【ZEH】
・当初5年間…上記金利から-年0.5%
・6年目~10年目…上記金利から-年0.25%
【金利Aプラン】
・当初10年間…上記金利から-年0.25%
【金利Bプラン】
・当初5年間…上記金利から-年0.25%
取扱事務手数料 【買取型】
  • 新規借入:1.1%(税込)
  • 借り換え:0.99%(税込)
【保証型】
  • 2.2%(税込)

NEOBANK住信SBIネット銀行 フラット35の特徴
トップクラスの実績と、利用者からの高い満足度を誇る「住信SBIネット銀行」のフラット35
住信SBIネット銀行では、業界最低水準の住宅ローン金利を実現。さらに、「買取型」と呼ばれる一般的なフラット35に加え、金融機関が販売するフラット35を住宅金融支援機構が保証する仕組みを活用した「保証型」のフラット35も提供している。「保証型」を取り扱っている金融機関は数が少ないため、「買取型」と「保証型」から利用するフラット35を選べるのは、住信SBIネット銀行を利用する大きなメリット。
また、電子契約サービスを利用すれば、仮審査から契約まですべての手続きがネットで完結する
フラット35やフラット35Sの利用を検討する際、住信SBIネット銀行は有力な選択肢の一つといえるだろう。

住信SBIネット銀行 フラット35 住宅ローン

フラット35Sの対象となる物件の基準と適用条件フラット35Sとは?適用基準や金利、比較のポイントを解説

フラット35Sの金利と比較のポイント

フラット35Sには、「フラット35S(ZEH)」「フラット35S(金利Aプラン)」「フラット35S(金利Bプラン)」の3種類があり、それぞれ適用条件が異なります
本チャプターでは、各フラット35Sの対象となる物件の基準と適用条件について、詳しく見ていきましょう。

フラット35S(ZEH)の対象となる物件の基準と適用条件

フラット35S(ZEH)が適用されると、当初5年間は年0.5%、6年目から10年目までは年0.25%、住宅ローン金利が優遇されます。フラット35S(ZEH)は、3種類のなかで、最もお得度が高いフラット35Sです。

ちなみに、「ZEH(ゼッチ)」とは、「net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略で、家庭で消費するエネルギー量を実質ゼロ以下に抑えるために、高い断熱性能やエネルギーの生産設備(太陽光発電システム等)を備えた住宅を指します。

 

フラット35S(ZEH)の適用条件

一戸建ての場合

区分 断熱等性能 一次エネルギー消費量(対省エネ基準) 適用条件
再エネ除く 再エネ含む
ZEH 強化外皮基準 (断熱等性能等級5相当) -20%以上 -100%以上
Nearly ZEH -75%以上
-100%未満
寒冷地、低日射地域、多雪地域
ZEH Oriented (再エネの導入必要なし) 都市部狭小地、多雪地域

一戸建て以外の場合(共同建て、重ね建てまたは連続建て)

区分 断熱等性能 一次エネルギー消費量(対省エネ基準) 適用条件
再エネ除く 再エネ含む
ZEH-M 強化外皮基準(断熱等性能等級5相当) -20%以上 -100%以上 住宅用途の階層
Nearly ZEH -75%以上
-100%未満
数が1~3層
ZEH-M Ready -50%以上
-75%未満
住宅用途の階層数が4または5層
ZEH-M Oriented (再エネの導入必要なし) 住宅用途の階層数が6層以上

フラット35S(金利Aプラン)の対象となる物件の基準と適用条件

フラット35S(金利Aプラン)では借り入れ当初10年間、住宅ローン金利が年0.25%優遇されます
フラット35S(金利Aプラン)の対象となる物件の基準と適用条件は以下の通り。

フラット35S(金利Aプラン)の適用条件

新築住宅の場合

以下(1)~(5)のうち、いずれか1つ以上の基準を満たす住宅であること

省エネルギー性 (1)断熱等性能等級5以上の住宅で、かつ、一次エネルギー消費量等級6の住宅
耐震性 (2)耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)3の住宅
(3)免震建築物(※住宅性能表示制度の評価方法基準1-3に適合しているもの)
バリアフリー性 (4)高齢者等配慮対策等級4以上の住宅(共同建て住宅の専用部分は等級3でも可)
耐久性・可変性 (5)長期優良住宅

中古住宅の場合

以下(1)~(7)のうち、いずれか1つ以上の基準を満たす住宅であること

省エネルギー性 (1)断熱等性能等級4以上の住宅で、かつ、一次エネルギー消費量等級6の住宅
(2)断熱等性能等級5以上の住宅で、かつ、一次エネルギー消費量等級4以上の住宅(※認定低炭素住宅および性能向上計画認定住宅については、令和4年度に改正の認定基準に適合し認定を受けたもののみ)
耐震性 (3)耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上の住宅
(4)免震建築物
バリアフリー性 (5)高齢者等配慮対策等級3以上の住宅
耐久性・可変性 (6)長期優良住宅(維持保全計画認も含む)
(7)劣化対策等級3の住宅で、かつ、維持管理対策等級2以上の住宅(共同建て住宅などについては、一定の更新対策が必要)

フラット35S(金利Bプラン)の対象となる物件の基準と適用条件

フラット35S(金利Bプラン)では借り入れ当初5年間、住宅ローン金利が年0.25%優遇されます。
フラット35S(金利Aプラン)と比較すると金利の引き下げ期間は5年間短くなりますが、その分、対象となる物件の基準と適用条件のハードルは低めに設定されています

フラット35S(金利Bプラン)の適用条件

新築住宅の場合

以下(1)~(5)のうち、いずれか1つ以上の基準を満たす住宅であること

省エネルギー性 (1)断熱等性能等級4の住宅で、かつ、一次エネルギー消費量等級6の住宅
(2)断熱等性能等級5以上の住宅で、かつ、一次エネルギー消費量等級4または等級5の住宅
耐震性 (3)耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上の住宅
バリアフリー性 (4)高齢者等配慮対策等級3以上の住宅
耐久性・可変性 (5)劣化対策等級3の住宅で、かつ、維持管理対策等級2以上の住宅(共同建て住宅などについては、一定の更新対策が必要)

中古住宅の場合

以下(1)~(3)のうち、いずれか1つ以上の基準を満たす住宅であること

省エネルギー性 (1)開口部断熱
(2)外壁等断熱
省エネルギー性 (3)高齢者等配慮対策等級2以上の住宅
  • 中古住宅の場合、フラット35S(金利Bプラン)に関しては、「耐震性」「耐久性・可変性」についての基準はありません。

まとめ適用基準や金利、比較のポイントを解説

フラット35Sを利用すれば、より有利な条件で住宅ローンを組むことができます
物件の購入にフラット35を利用する際は、その物件がフラット35Sの適用条件を満たしているかをしっかりと確認しましょう。 また、適用金利が低く、利便性やお得度の高いサービスを提供する金融機関のフラット35を利用するのも大切なポイントです

住宅ローンの借り入れにフラット35Sの利用を検討している方は、本特集を参考に、フラット35Sの基本情報や適用条件などをチェックし、実際に住宅ローンを組む際に役立てましょう。

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著者 溝口 麻衣

著者 溝口 麻衣

Hayakawa所属のチーフライター兼編集者。フラット35Sの適用基準や金利、比較のポイントについての調査と記事執筆を担当。
わかりやすく、ちょっとした気付きのある記事を目指し、日々原稿を執筆している。2級FP技能士取得。